岩手県盛岡市 消化器内視鏡専門医のいるクリニック



慢性胃炎

慢性胃炎とは

胃の粘膜に炎症が起きた状態が胃炎です。

慢性胃炎とは、胃炎が長期間、くりかえし起こることで胃粘膜が変化してしまう状態です。

自覚症状としては空腹時や夜間の胃の痛み、胸焼け、胃のもたれ、腹部膨満感、げっぷなどが挙げられ、これらが不定期だったり不明確だったりするのが特徴です。

また、自覚症状が無く、定期健康診断で初めて分かることも少なくありません。
慢性胃炎は表層部のただれ(びらん性胃炎)から始まり、長年のうちに胃粘膜細胞が活力を失って胃腺が萎縮した状態(萎縮性胃炎)に移行すると考えられています。

慢性胃炎の原因

現在では慢性萎縮性胃炎のおもな原因はヘリコバクター・ピロリ菌の慢性的な持続感染であるとされるようになりました。
ヘリコバクター・ピロリ菌は、強酸性の胃液に耐えられる細菌で、感染すると、胃の粘液にすみついて胃粘膜に有害な物質を作り出すことから、慢性的に胃炎を引き起こすのです。
慢性胃炎、十二指腸潰瘍、胃潰瘍、さらには胃がんの患者さんはこの菌に感染していることが多く、こうした胃・十二指腸の疾患との深い関わりが指摘されています。

その他、薬の副作用、食べすぎや飲みすぎ、ストレス、タバコの吸いすぎなどが要因となることもあります。

慢性胃炎の症状

 慢性胃炎の症状は様々で、みぞおちの痛み(心窩部痛)、上腹部不快感、悪心・嘔吐、腹部膨満感、胃もたれ、食欲不振が現われます。

 なかでも多い症状は、上腹部不快感みぞおちの痛み(心窩部痛)腹部膨満感で、多くの場合、これらの症状が重複して現われます。

 慢性胃炎は症状と胃カメラ検査によって診断されるのが一般的ですが、不思議なことに胃カメラ検査によって慢性胃炎と診断されたにもかかわらず、自覚症状のない患者さんが40~50%にも上ることが知られています。

 自覚症状がないのに、健診の胃カメラ検査あるいは胃バリウム検査で慢性胃炎と診断される患者さんも多くいます。

慢性胃炎には胃の運動機能の異常も伴います。その代表的症状は、胃から小腸への食物の輸送機能が遅延するための腹部膨満感、胃もたれ感であり、胃機能の異常亢進による吐き気・嘔吐と考えられます。

 一方で、胃の痛みや胃もたれなどのつらい症状が続いているにもかかわらず、内視鏡検査を行っても異常がみつからない場合は、「機能性ディスペプシア」が考えられます。

慢性胃炎の診断

内視鏡検査で胃の状態を調べます。当院では苦痛の少ない鼻からの胃カメラを行っています。

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【注意】

慢性萎縮性胃炎は胃がん発生のリスクの一つと考えられています。したがって、慢性胃炎の診断でもっとも注意しなければならないことは胃がんの発生を見落とさないことです。

慢性胃炎の治療

まず、ヘリコバクター・ピロリ菌が陽性であれば除菌治療を行っています。
早期の段階で除菌治療が成功すれば、萎縮性胃炎の進行を抑制することが可能で、しいては胃がんのリスクを低下させることが知られています。
除菌後にも自覚症状が残存している患者さんには制酸薬、胃粘膜保護薬、消化管機能改善薬を症状に合わせて処方しています。

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