ビグアナイド薬について
ビグアナイド薬のメトホルミンについて解説します。
当院ではビグアナイド薬としてメトホルミンを処方しています。
メトホルミンは1950年代に登場した古い薬ですが、安価かつ効果も高い糖尿病治療薬です。乳酸アシドーシスという副作用のため、一時期敬遠された時代もありましたが、近年日本においても見直されています。
●インスリンの働きを改善する薬
メトホルミン
【作用・働き】
主に肝臓に作用し、糖が新たに作られる(糖新生)のを抑制することで、血糖値の上昇を抑える薬です。
また、糖の吸収を抑制したり、筋肉でのインスリンの効きを改善する働きがあります。
【対象】(よく効く人)
肥満体型や脂肪肝などで、「インスリンの作用が十分に発揮できていないタイプ」の2型糖尿病の人によく効きます。
もちろん、肥満のない方にも効果的です。
【注意点】
・肝臓、腎臓や肺、心臓に何らかの機能障害のある方、アルコール多飲者、高齢者は使用できません。
・造影剤を使ってCTを撮影する際は、ビグアナイド薬を内服していることを申告する必要があります。※造影検査の前後3日間を休薬することが多いです。
・吐き気、下痢、食欲不振、倦怠感などの副作用が現れる場合があります。
石井基嗣医師からの一言
◆メトホルミンは効果が高い上に、値段が安い薬です(1錠約10円)。欧米では2型糖尿病の第一選択薬となっています。日本でも、(私を含め)糖尿病専門医は多くの患者さんに処方しています。
◆肥満の患者さんだけではなく、太っていない患者さんにも有効です。
メトホルミンの適正使用
メトホルミンは糖尿病の治療薬として非常に有益な薬ですが、腎機能障害のある方、下痢、嘔吐など脱水を起こしたとき、過度のアルコール摂取をする方、75歳以上の高齢者に対して注意が必要です。詳しくは日本糖尿病協会のホームページで紹介されています。
