岩手県盛岡市 消化器内科専門医のいるクリニック
食べ過ぎていないのに、食べ物がいつまでも胃の中にたまっているような不快感を感じるタイプです。
ちょっと食べただけで、胃の中が一杯になるように感じて、それ以上食べられなくなるタイプです。
みぞおちのあたり(心窩部)に痛みを感じるタイプです。熱感を伴う場合と伴わない場合があります。
みぞおちのあたりに起こる熱感をともなう不快感があるタイプです。似た症状の「胸やけ」は、みぞおちではなく胸の方に起こる不快感を指します。
食べ物が食道から胃へ入ってきても胃の上部がうまく広がらず、入ってきた食べ物を胃の中にとどめることができなくなってしまうタイプです。
これにより、早期飽満感や痛みを感じます。
胃の中にある食べ物を、十二指腸へうまく送ること(排出)ができず、胃の中に食べ物が長くとどまってしまうタイプです。
これにより、胃もたれなどが引き起こされます。
逆に、胃から十二指腸への排出が速くなってしまい、痛みなどの不快感が引き起こされる場合もあります。
胃の貯留機能と排出機能は密接に関係しているといわれています。
本来、胃の中の食べ物は十分な時間をかけて十二指腸へ運び込まれますが、胃の貯留機能が障害されると、急に十二指腸へ食べ物と胃酸が運び込まれてしまいます。
すると、十二指腸は胃の排出機能を抑えるように働きかけて、結果として食べ物が胃から排出されなくなり、胃もたれなどの症状を引き起こす場合もあります。
「知覚過敏」とは胃が刺激に対して痛みを感じやすくなっている状態を指します。
正常であれば何も感じない程度の刺激であっても、「知覚過敏」の状態では、少量の食べ物が胃に入るだけで胃の内圧が上昇し、早期飽満感が引き起こされたり、胃酸に対して過剰に痛みや灼熱感などを感じることがあります。
十二指腸に胃酸が流れ込むことによって胃の運動機能が低下し、胃もたれなどのさまざまな機能性ディスペプシアの症状が引き起こされることが知られています。 また、知覚過敏の状態では正常な胃酸分泌であっても痛みや灼熱感などを感じることがあります。
生活上のストレスなどの心理的・社会的要因と機能性ディスペプシアは関係があると言われています。
ピロリ菌とは胃潰瘍や十二指腸潰瘍、慢性胃炎、胃がんなどにかかわる、胃粘膜に生息する細菌です。ピロリ菌に感染している機能性ディスペプシアの患者さんに除菌療法を行うと、機能性ディスペプシアの症状が改善するという報告もあります。
いしい内科・糖尿病クリニックでは胃がん、胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの疾患を除外するため、胃カメラ、ピロリ菌の検査、必要に応じて血液検査や腹部超音波検査などを行っています。
患者さんの症状に合わせてお薬を処方します。
まずはラベプラゾールなどの「胃酸をおさえる薬」と、モサプリドなどの「胃の動きをよくする薬」を中心に処方しています。
一度の処方で症状が改善しないこともあるので、改善度に応じて薬剤を変更・調節いたします。
お気軽にご相談ください。
胃もたれや早期飽満感がある場合には、胃の動きをよくする薬が有効です。
まずモサプリドを処方します。モサプリドで効果に乏しい場合、アコファイド®に変更します(ただし、アコファイド®を処方する前に胃カメラを行う必要があります)。
漢方薬を組み合わせる場合もあります。
十二指腸に胃酸が流れ込むことによって胃の動きが低下し、機能性ディスペプシアの症状が引き起こされます。
また、胃が知覚過敏の状態では、正常な胃酸分泌であってもみぞおちの焼けるような感じや痛みを感じることがあります。
いしい内科・糖尿病クリニックでは胃酸をおさえる薬として、ファモチジンなどの「H2ブロッカー」や、ラベプラゾールなどの「プロトンポンプ阻害薬(PPI)」を処方しています。
消化管運動機能改善薬や酸分泌抑制薬でも症状がよくならない場合は、抗うつ薬や抗不安薬を用いることもあります。いしい内科・糖尿病クリニックではアルプラゾラムを中心に処方しています。
ピロリ菌に感染している機能性ディスペプシア患者さんに除菌療法を行うと、機能性ディスペプシア症状が改善するという報告もあります。ピロリ菌除菌のために3種類の薬(主に抗菌薬2種類とプロトンポンプ阻害薬)を7日間飲み続ける治療法があります。
酸分泌抑制薬や消化管運動改善薬で良くならない機能性ディスペプシアに、漢方薬が有効である場合があります。
症状などに応じて、六君子湯(りっくんしとう)、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)、安中散(あんちゅうさん)、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)などを処方します。