岩手県盛岡市 糖尿病専門医のいるクリニック



動脈硬化性疾患について

大血管症(動脈硬化性疾患)も重大な合併症

■大血管症とは

 糖尿病でダメージを受けるのは、細い血管ばかりではありません。太い血管(動脈)も、血糖コントロールが悪いと徐々にダメージを受けます。 これを‟大血管症”と呼びます。動脈硬化症が進行し血管が狭くなると血流が悪くなるので、必要な血液が足りない症状(虚血症状)が出ます。
 さらに、血管が狭くなり、そこに血のかたまり(血栓)などができて完全に閉塞してしまうと、血液が全く流れなくなって心筋梗塞、脳梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症 ・足壊疽などの重篤な合併症を引き起こします。
動脈硬化症について
糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、喫煙などで、全身に動脈硬化や動脈の狭窄が起きやすくなります。
脳へ行く血管でとくに動脈硬化や狭窄が起こりやすいのは、頚動脈で、頚動脈狭窄症と呼ばれています。
ここが次第に狭くなると、この部分にできた血栓(血の塊)や、動脈硬化部分の厚くなった血管壁の内部にたまった成分(プラークや粥腫)が血管内に飛び散って脳へ流れ込み、 手足の麻痺や言語障害をきたすような脳梗塞の原因となります。
狭窄が進むと脳への血流が悪くなり、これが原因で脳梗塞となることもあります。

頚動脈エコー検査とは

いしい内科・糖尿病クリニックでは頚動脈エコー検査を行っています。
超音波を使って頚動脈の状態を調べる検査です。血管の壁の厚さを測定し、動脈硬化の程度を判定します。頚動脈の行きつく先は『脳』です。すなわち頚動脈の 動脈硬化性変化は脳梗塞の大きなリスクとなるのです。頚動脈の動脈硬化の程度は全身の動脈硬化の進行具合の指標にもなります。また、糖尿病、高血圧、脂質異常症 とも密接に関連し、治療の良否の判断にも利用されます。検査に要する時間は10~20分程度で、特に食事や薬の制限はありません。痛みや危険性は全くない安全な検査です。
動脈硬化症について

血流と動脈硬化(ABI)

動脈硬化検査とは

【動脈硬化の検査】四肢血流検査(ABI)|いしい内科・糖尿病クリニック
仰向けに寝た状態で腕と足首の血圧を測定し、血管のつまり具合(四肢血流検査:ABI)と血管の硬さ(脈波伝搬速度:PWV)を測定します。これにより、血管狭窄や動脈硬化の有無や程度がわかります。

四肢血流検査(ABI)とは

動脈硬化の合併症の検査なら、いしい内科・糖尿病クリニックへ
ABI検査は、足首と上腕の血圧を測定するものです。動脈の内膜にコレステロールを主成分とする脂質が沈着して内膜が厚くなり、粥状硬化ができて血管の内膜が 狭くなる「アテローム動脈硬化」の進行程度、血管の狭窄や閉塞などが推定できます。
正常(動脈硬化が進んでいない)の場合、横になった状態で血圧を測ると足首のほうがやや高い値を示します。しかし、動脈硬化があると足首の方が低くなります。

脈波伝搬速度(PWV)とは

 PWV検査は、心臓の拍動(脈波)が動脈を通じてどのくらいの速さで手や足にまで届くか検査するものです。動脈壁が厚くなったり、硬くなったりすると、 動脈壁の弾力性がなくなり、脈波が伝わる速度が速くなります。

 腕と足につけた4個のセンサー間の距離と脈波の到達所要時間を計測し、PWV値を測定し動脈硬化の程度を評価します。

動脈硬化症について

閉塞性動脈硬化症について

閉塞性動脈硬化症は、手や足の血管の動脈硬化により、狭窄(血管が狭くなる)や閉塞(血管が詰まる)を起こして、血液の流れが悪くなり、 手先や足先へ栄養や酸素を十分に送り届けることができなくなる病気で、手足にさまざまな障害が現れます。

閉塞性動脈硬化症の症状 いしい内科・糖尿病クリニック
岩手県立江刺病院勤務医時代に経験した閉塞性動脈硬化症の症例。いしい内科・糖尿病クリニック
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