岩手県盛岡市 肝臓専門医のいるクリニック
「脂肪肝なんて」と軽く考えていませんか?
いしい内科・糖尿病クリニックでは、脂肪性肝疾患の診療を肝臓専門医があたっています。 肝細胞に脂肪がたまって肝機能異常を引き起こす病態を脂肪性肝疾患といいます。
単純な脂肪肝の状態から、肝臓に炎症が伴うようになると慢性肝炎、さらに進行すると肝硬変になる恐れがあります。
つい最近まで脂肪肝のことを、飲酒が原因で発症するアルコール性脂肪肝と、糖尿病や肥満などが原因で飲酒歴のない脂肪性肝疾患を非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、炎症を伴って肝硬変、肝がんへと進行する可能性のある非アルコール性脂肪肝炎(NASH;ナッシュ)と呼んでいました。
国際的な議論を経て、2023年に肥満・糖尿病・代謝異常のいずれかを合併した脂肪性肝疾患のことをMASLD、炎症を起こした状態をMASHと呼ぶことが提唱されました。
代謝に関連した脂肪性肝炎(MASH)発症のメカニズムは、インスリン抵抗性・酸化ストレス・小胞体ストレス・腸内細菌叢の変化など多くの因子が同時に関与する“多重並行ヒット理論”がより広く受け入れられています。
脂肪肝の原因としては大きくアルコール性のものと非アルコール性のものに大別されます。
さらに非アルコール性の原因としては、肥満、糖尿病、脂質異常症、一部の薬剤、栄養障害などがあげられます。
‟アルコール多飲によるものではない”ことの具体的な目安は、1日のアルコール摂取量が20g以下であることです。
(例) 缶ビール(500ml) 1本、日本酒 1合、ウイスキーダブル 1杯
日本肝臓学会は、2023年6月に肝疾患の早期発見・早期治療を目指す「奈良宣言2023」を発表しました。
この宣言では、健康診断などで肝機能検査として血液検査で広く測定されているALT値が30を超えていた場合、かかりつけ医を受診することを進めています。
※いしい内科・糖尿病クリニックは、糖尿病専門医かつ肝臓専門医のクリニックなので、受診にお勧めです。当院では痛みがなく、脂肪肝の有無を簡単に診断する検査として、腹部超音波(エコー)検査を行っています。
※当院では肝生検(肝臓に針を刺して組織を採取する検査)は行っていません。
エコー検査で見ますと正常の方では、楕円形に見える右腎臓の外側の部分の黒さと肝臓の黒さはほとんど同じ程度ですが、脂肪肝になると肝臓が白く見えるようになり、 その部分の黒白の差(医学用語では肝腎コントラスト)が明らかとなって脂肪肝と診断できます。
特効薬はまだありませんが、糖尿病治療薬やコレステロール値を改善する薬を軸にして治療しています。
糖尿病のある患者さんには、SGLT2阻害薬や、GLP-1受容体作動薬が有効です。